最近はテクノロジーの進化とともに、世の中がものすごいスピードで変化していっているのを感じている人も多いのではないでしょうか。前回ご紹介したお金のデジタル化とともに、急速に進んでいることは他にもあります。
みなさんも体験している通り、それはモノと体験のバーチャル(仮想)化です。
特に2020年頃からは例の感染症拡大の影響もあり、プライベートだけでなくビジネスシーンにおいても、リアルからバーチャルへとコミュニケーションのあり方はどんどん変化してきています。仮想世界を題材にしたコンテンツも人気ですよね。
そんなバーチャルな世界がさらに進化していけば、これまでリアルではできなかったような新しい体験がもっと楽しめるようになるでしょう。あのスピルバーグ監督の映画「レディ・プレイヤー1」のように、ゲームやアニメのような世界を自由に歩き回れる日もそう遠くないのかもしれません。
ではそんな仮想空間で使われるお金は現金でしょうか。モノやサービスを売買するたびに毎回リアルとバーチャルを行き来していられませんよね。当然そこで使われるのは仮想通貨です。
「でも仮想空間上のモノなんて所詮データでしょ?お金の無駄使いだよ」というリアリストのみなさん、大丈夫です。ちゃんとそのデータにも価値はあります。それが「NFT」です。
NFTってなに?
NFTはあなただけのデジタルデータ
NFTとは非代替性トークン(Non-Fungible Token)のことです。はい、意味不明ですよね。ここでは詳しい説明は省きますが、「非代替性=替えが効かない」「トークン≒ブロックチェーン技術を使って発行したデジタル資産」です。要は所有権を証明できる偽造できないデジタルデータということです。
これまでのデジタルデータは複製や改ざんが簡単にできてしまうので、現物の資産のように価値をもたせることができませんでした。
例えばゲームをやっていて、レアなアイテム手に入れたとします。でもそのアイテムはゲーム内でどれだけ価値があるものだったとしても、他のプレーヤーと直接売買したりはできず、ゲームをやらなくなったら実質無価値になってしまっていましたよね。
でもそのデジタルデータの複製や改ざんを不可能にし、唯一無二性をもたせることができる技術が登場しました。それがブロックチェーンです。
この仕組みを活用してデジタルデータ1点1点に固有の証明を与えることで、デジタル空間上のモノを資産として扱えるようになり、自由に売買を行えるようになったのです。
2021年3月には、Twitter創業者のジャック・ドーシーによって2006年に呟かれた初ツイートが、NFTとしてオークションで約3億円超えの価格で落札され、大きな話題を集めました。
他にも例に挙げたゲームはもちろん、この技術はアートや音楽などの創作物と相性がよく、すでに様々なデジタルアートが仮想通貨を使って売買されています。
国内においても、大手取引所のコインチェックをはじめ、LINEやGMOグループ、楽天などの大手企業が参入しはじめており、市場の注目度は高まってきています。
【代表的なNFT関連銘柄】
- アクシーインフィニティ(AXS)
- エイプコイン(APE)
今後世界のデジタル化が進んでいけば、あらゆるモノがNFT化され、ビジネスとしてもどんどん拡大していく可能性があります。そしてこのバーチャル空間での経済圏を構築していく上で欠かせないのが「メタバース」です。
メタバースってなに?
メタバースは第二の生活空間
メタバースはインターネット上の仮想空間のことです。SNSとオンラインゲームを合わせたようなもの、というとわかりやすいでしょうか。
これまでのSNSなどとは違い、アバターと呼ばれる自分の分身を通して、よりリアルに近いコミュニケーションや体験を行うことができるのが特徴です。そういう意味では以前話題になった「あつまれどうぶつの森」も一種のメタバースと言えますね。
こうしたゲーム産業だけでなく、NFTの技術と組み合わせることで、メタバース空間上で仮想通貨を使って土地の売買をしたり、アバター用のデジタルファッションが発売されたりと、全く新しいビジネスが続々と生み出されています。
2021年10月にはあのフェイスブック社が社名をメタに変更し、今度はメタバースを事業の柱にしていくことを発表し大きな話題になりました。メタ社はフェイスブックやインスタグラム、ワッツアップなどのSNSプラットフォームだけでなく、オキュラスといったバーチャルリアリティー関連企業も買収しています。
メタバース上でユーザー同士の交流やバーチャルオフィスの提供、ゲーム、イベントなどの体験の場をつくることで、他の大企業に先駆けてこの業界のプラットフォーマーになろうとしているのです。ただ現状は総プレイヤー数約5億人を抱える「フォートナイト」(エピックゲームズ)に遅れを取っており、今後の覇権争いからも目が離せません。
【代表的なメタバース関連銘柄】
- サンドボックス(SAND)
- ディセントラランド(MANA)
ちなみに世界のメタバースの市場規模は、2030年には約20倍になるという予測もあります(2021年時点)。
このような最先端のテクノロジーの世界を体験するためには、今後仮想通貨が欠かせないものになっていくでしょう。今のうちからNFTやメタバースの世界に実際に参入してみることで、まだまだ先行者利益を得られるチャンスもありそうですね。
それではそんな仮想通貨に、一体どのように投資していくべきなのでしょうか?次回では初心者の方にもおすすめの投資方法と、知っておくべき基本的な考え方について解説します。
続く